四天王寺から神戸に至る (2) - 転法輪

 さて、鳥居をくぐった先に極楽門(西大門)がある。この門には「転法輪」という大きな輪が据えられていた。門の朱の色に金色の巨大な車輪はよく映え、美しい。「法輪(ほうりん)」とは梵語の "Dharma-cakra" [ダルマ(法)-チャクラ(車輪もしくは円盤の形の武器)]の訳だという。仏の教えが車輪のように自在に処々に伝わることを喩えているとか、人々の間違った考えや邪心邪念などを武器のように打ち砕くことを喩えているという。そして、「仏が仏法を説くこと」を「仏法の車輪を転がすこと」に喩えたのが「転法輪 (てんぼうりん)」という言葉だそうだ。

 あまり深いことを考えず、チベット仏教のマニ車のようなつもりで、ぐるぐると回してみた。こういう時、私はなんとなくチベットのことを思い浮かべてしまう。それはつまり、うっかりチベットに出現したペンネンネンネンネン・ネネム裁判長のことを考えているということだ。この時も「チベットのマニ車みたいだな」→「ペンネンネンネンネン・ネネムはどうしてチベットに出現したのかな」と考えていたので、ネネム裁判長のように「フィーガロ、フィガロト、フィガロット」と(心の中で)歌いながら、四天王寺の転法輪を回した。しかし、今、東京で、こうして自分の書斎でパソコンの前に座ってつらつらと考えてみると、この時のネネム連想と、頭の中で勝手に歌われる「フィーガロ、フィガロト、フィガロット」のフレーズと、四天王寺の転法輪を回すという実際の行動は、噛み合っていなかったような気がしないでもない。

(つづく)


極楽門の転法輪

●参考
スーパー大辞林
世界大百科事典

●関連
釈迦が最初に説法を行った鹿野苑(サールナート)の、アショカ王時代の遺構から出土したレリーフや石柱に、法輪が象徴的に描かれている。特に石柱に見られる法輪は現在のインド国旗にも採用された有名なものだそうだ。詳しくはここ

●しかし、ペンネンネンネンネン・ネネムとは果たして何者であろうか。

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四天王寺から神戸に至る (1)
四天王寺から神戸に至る (2)- 転法輪
四天王寺から神戸に至る (3) - 仁王像
四天王寺から神戸に至る (4) - 石棺の蓋
石棺の蓋 : 補足
四天王寺から神戸に至る (5) - 太子の御衣
四天王寺から神戸に至る (6) - 極楽浄土の庭
四天王寺から神戸に至る (7) - 異人館をめぐる

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