デプリースト@都響 マーラー / 2番

●5/20(金) サントリーホール
都響定期 (デプリースト常任指揮者就任記念公演)

指揮 : ジェイムズ・デプリースト
ソプラノ : 澤畑恵美
アルト : 竹本節子
合唱 : 晋友会合唱団

マーラー / 交響曲 第2番「復活」


 デプリーストさんのマーラーは個人的には決して嫌いではない。テンポの急激な変化は劇的ではあったけれど、時々、それが場合によっては(私には)なんとなく不自然なもの、陳腐なもの、「いびつなもの」に感じられ、だからこそ、かえってマーラーらしい音楽に浸ることができた。よい公演だったと思う。

 聴きながら、どうしても2000年11月19日(シューベルトの命日)に横浜で聴いたベルティーニさんと都響の復活を思い出さずにはいられなかった。都響の人たちも、客席にいたお客さんたちの多くも、やはりベルティーニさんを追悼する気持ちを持って公演に臨んだのではないだろうか。もちろん、デプリーストさんを聴くことと、「ベルティーニさんのこと」はまったく別のことだから、本当は切り離して考えなければいけないのだろうけれど、人間は(というか、私は)そんなに都合よくできていないので、やはり、ふとした時に、両方を重ねて感慨に浸ることがあった。それに先ごろ、偉大な指導者を失ったばかりの合唱の晋友会。亡くなった人たちへの追悼であったのと同時に、新しく来た人(デプリーストさん)を歓迎する公演だったと個人的に感じ入った。また、「誰かが去っても、音楽は未来につながる」ということを感じもした。悲しい気もするけれど、未来への希望はうれしい。

(追記1)
NHKによるテレビ収録あり。

(追記2)
ベルティーニさんとの横浜でのマーラーについては「クラシックニュース」のニュースの過去ログに公演一覧があった。これは発売前のものだから、今これを改めて眺めてみると感慨深いものがある。「復活」の公演に名前があがっている指揮者も合唱指揮者も、今はもうこの世にいないのだから。