2014年12月のコンサート (1)

備忘録的インデックス。


●12/4(木) 王子ホール
マーク・パドモア&ポール・ルイス
シューベルト三大歌曲集全曲演奏会 第1日

(テノール)マーク・パドモア
(ピアノ)ポール・ルイス

シューベルト / 歌曲集「美しき水車屋の娘」 op.25, D795

※当日のツイッターから

王子ホール、パドモア&ルイスのシューベルト初日、水車小屋、終演。すばらしい時間でした。パドモアがすばらしいのはもちろんですが、ルイスすばらし… 休憩なしアンコールなし。雨上がりの銀座の夜の中を帰るのだー

パドモアが終わりの方で舞台の脇の方へ少し寄って、今まで自分が立っていたところをそっと振り返るそぶりをしましたが、あそこで私は痛みのようなものを感じました。こんなにもさみしい「不在」の表現があるのか、それもリートの演奏会で、と。静かな演出だったけれど、本当にはっとした。

それからみなさんもおっしゃっているけれど、ルイスのピアノは本当にすばらしい。いつまでもずっと聴いていたかった。


●12/5(金) 王子ホール
マーク・パドモア&ポール・ルイス
シューベルト三大歌曲集全曲演奏会 第2日

(テノール)マーク・パドモア
(ピアノ)ポール・ルイス

シューベルト / 歌曲集「冬の旅」 op.89, D911

※当日のツイッターから

王子ホール、パドモア&ルイスのシューベルト2日目、冬の旅、終演なう。今夜もすばらしかったし、今夜この場にいることができた幸せに感謝。1階では昨夜に続いてサイン会開催中。帰るのだー

冬の旅を聴き終えて外に出て見上げれば冬の月

それとさすがに今日はアンコールがなかった。(前回、フェルナーとの共演の時は冬の旅の後でアンコールがあったから、びっくりした)

ノノノ (あの冒頭のピアノが恐ろしくて身震い… QT (略)あたかもライアーが軋むような音を奏でたライアーマンの冒頭

今日もルイスのすばらしさに驚かされた。「冬の旅」のピアノパートにどれほどシューベルトの音楽のエキスが凝縮されているか、改めて感じた感動した。「冬の旅」を聴きに行く度に、歌を聴く喜びと同時に、シューベルトのピアノ音楽のもう1つの姿をうかがい知る旅でもあるのだと気づかされる。

パドモアが2011年にフェルナーとトッパンで共演して「冬の旅」を歌った時はアンコールで「夜と夢 D827」が歌われました。 

(シュトゥッツマンの時にもたぶん同じようなことをツイートしたと思いますが今日も言いたい)
演奏はすばらしかったし、心から感動した。でも、それと同じくらい、あの曲の偉大さと恐ろしさに打ちひしがれている。

(D911 だからだけれど、たとえば D958, D959, D960 もすばらしいリサイタルを聴くとこんな感じ・・・


●12/7(日) 王子ホール (15:00)
マーク・パドモア&ポール・ルイス
シューベルト三大歌曲集全曲演奏会 第3日

(テノール)マーク・パドモア
(ピアノ)ポール・ルイス

ベートーヴェン /
 「8つの歌」より 五月の歌 op.52-4
 「6つの歌」より 新しき愛、新しき生命 op.75-2
 星空の下での夕べの歌 WoO 150
 連作歌曲 「遥かなる恋人に寄す」 op.98

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シューベルト / 歌曲集「白鳥の歌」 D957
 ※「鳩の使い」を本編に含む

※当日と翌日のツイッターから

銀座・王子ホールなう! ヾ(・◇・)ノ" パドモア&ルイスのシューベルト3日目(最終日)、ベートーヴェン&白鳥であります。旅もまもなく終わる…

王子ホール、パドモア&ルイス最終日、終演なう。この感動を言葉にすることは容易ではないし、終演直後の今は(まだ)言葉西卓もない。ただただ、すばらしかった…。本日もアンコールはありませんでした。本編として歌われた(私の魂のテーマ曲でもある)「鳩の便り」で3日間がしめられました。感無

また途中で切れた…続き→)量。帰るのだー

今年は王子のシューマンではじまり、王子のシューベルト&ベートーヴェンで終わった。いやまだこの後、年末に向けてコンサートには出かける予定ですが、「…で終わった」と思わず言ってしまいたくなるほど、今日の演奏会の満腹感はただごとではなかった…

(帰宅してからずっと今晩の演奏会のことを考えている・・・

構成も違っていましたしね。今回はアンコールがなかったし(それがとてもよかった!)、ピアノソロもありませんでしたし。それに水車小屋でのあの「移動」の演出。前回は前回、今回は今回で、きっと毎回が「ただ1度だけ」なのだろうなとつくづく感じました。

特に彼らのようなレベルの演奏家たちはそうでしょうね。それにしてもルイスのピアノには初日から今日の最後の曲まで驚かされっぱなしでした。今日の終演時も、客席で帰り支度をしながら、「ピアノがすばらしかった!」と絶賛している方たちがいました(複数)。いやまったく同感。

今日のパドモア&ルイスの最終公演、まず前半のベートーヴェンにすっかりやられてしまった。なんという光に満ちた世界だっただろう。「遥かなる恋人に寄す」の「あの終曲」に音楽と時間が一気に流れ込んでくるような感覚があった。(ロベルトへの道、ロベルトが憧れた世界…

「あの終曲」の余韻の中から立ち上がってくるファンタジーの残り香をまとったまま、続く1週間を過ごしてロベルトのファンタジーの世界へと入っていきたい…そんな夢想まで広がった。[1週間後にロベルトの幻想曲 op.17 の演奏会がある。]

「遥かなる恋人に寄す」は聴く度に「これほどの名曲だったか」と毎回驚いてしまう(特に演奏会で)。名曲なのだとわかっている(知っている)のにもかかわらず。

後半のシューベルトの「白鳥の歌」はどの曲も大好きな曲だから、1曲1曲、わくわくしながら聴いていた。これもすばらしかったなあ。特に後半のハイネのテキストに付曲された部分、圧巻だった。

前回のトッパンでもそうだったように、今日も「鳩の便り」は本編として最後に歌われた。希望と憧れと不思議な透明さにあふれた曲。私はこの透明な明るさに一種の不吉なものを感じておびえてしまうのだが(これはシューベルトの絶筆と言われている)、今日はパドモアが歌った希望と憧れに胸打たれた。

聴き逃してしまったパドモアとイモジェン・クーパーの共演も聴いてみたいから東京でまたやってほしいし、前回のフェルナーとの共演もすばらしかったし、何より!ベザイデンホウト(ベズイデンホウト)とのシューマンをぜひ東京で!とも思うのだが、ルイスとの共演もまたやってほしい。(強欲

ありがとうございます! あの曲をアンコールで歌う方が多いのも同じ理由なのでしょうね。私自身もあの曲で救われたような気がしました(客席で)。

Nahoko Gotoh 後藤菜穂子
パドモアにインタビューした時、Taubenpostがないと重苦しくて終われない、と言っていました。
Retweeted by ととろお(のべれ助ってん)