モルクとP・ヤルヴィのシューマン N響 5月C定期

●6/6(金) NHKホール
N響定期(5月Cプロ1日目)

(指揮)パーヴォ・ヤルヴィ
(チェロ)トルルス・モルク

シューマン / チェロ協奏曲 イ短調 op.129
カザルス / 鳥の歌 (モルクのアンコール演奏)
(ラフマニノフ / 交響曲 第2番 ホ短調 op.27)

 さて、当の演奏会から随分と日があいてしまったけれど、覚え書き程度には何か残しておこうと思う。

 前回のN響客演の時に、サントリーホールでシューマンの1番を振って好演を聴かせてくれたパーヴォ・ヤルヴィと、なんといってもシューマンのコンチェルトを2度も(後でわかったが実は3度も)録音しているモルクの共演によるシューマンということでとても期待していた公演。都合で後半のラフマニノフを聴くことはできなかったけれど、モルクのアンコール演奏を含めた前半を聴くことができた。

 モルクの美点はのびやかで艶のある美音と、上品な歌の2点に特にあるのではないかと思うけれど、そうした点がよく発揮されていた好演だったと思う。アンコールの「鳥の歌」は消え入りそうなはかなさの漂う名演、こちらもよかった。

 私がある人に「モルクのシューマンのコンチェルトはすばらしいよ」と教えられたのは今から10年ほど前のことだったけれど、当時は彼の名前を知っている人が周囲にはおらず、最近になってこのように日本で知名度が上がってくるようになるとは思っていなかった。彼の評価が日本で高まっていることはとてもうれしい出来事だ。