2007年のしめ (2)

 今年は「気分が乗らなくて」、海外オーケストラの公演を聴かなかった。(予定が合わなかったり、気が乗らなかったり)

 ピアノはそこそこ聴きに出かけたけれど、その中でも忘れがたいのはケフェレック、フェルツマン、レーゼル、エル=バシャ、ピリス。これらとはまた違った意味で「忘れがたい」のはやはりポゴレリッチ。

 日本人ではシューマン全曲録音を完成させ、次はシューベルトだと言っている伊藤恵さん、シューマンを中心にしたリサイタルを計画している田部京子さんのオール・シューマン、小川典子さん…とこの世代のピアニストたちの充実した活躍にわくわくした1年だった。

 室内楽はそんなにたくさんは聴かなかったけれど、堀米ゆず子&エル=バシャには非常に感動した。先のリストには入れなかったが、今井信子さんがヴァイオリンとヴィオラの両方を弾いたリサイタル(ピアノ伊藤恵)も味わい深く忘れがたい。

 そして、ゲルネ! 大友@東響とのマーラー、ピアノのシュマルツとのシューベルト3大歌曲集の公演のいずれもがすばらしく忘れがたい。(でも、次はまたシューマンで来てほしいなあ!)

 下野、スダーン、沼尻、広上の指揮も見事で忘れがたい。特に広上@紀尾井シンフォニエッタのハイドン、モーツァルト、バルトークの精密でエネルギッシュな水準の高いアンサンブルに驚いた。私にとっては都合がつけばまたぜひとも聴きに行きたいオーケストラの1つとなった。