オシップ・ガブリロヴィッチ (1)

 しばらく、私の「お気に入り」CDについて続けて書くことにする。

 まず、最初に取り上げるのは、オシップ・ガブリロヴィッチのCD "OSSIP GABRILOWITSCH, His Issued and Unissued Recordings" (Vai [VAIA/IPA 1018])

 シューマンの「ノヴェレッテ」が収録されているらしいことから取り寄せてみたのだが、収録されていたのは op.99 の方だった。(私は op.21 が聴きたかった。)
 結局、聴きたかった曲は収録されていなかったのだが、なかなか味わい深いディスクであり、私の愛聴盤に加わることとなった。

 オシップ・ガブリロヴィッチ Ossip Gabrilowitsch (Gabrilovich) (1878 St. Petersburg - 1936 Detroit) はロシア出身のアメリカのピアニスト、指揮者。サンクトペテルブルクの音楽院で学んだ後、ウィーンでレシェティツキに師事。ウィーンで同門にあったクララ・クレメンスと結婚、アメリカに移住。デトロイト交響楽団音楽監督(1918-1936)

 クララ・クレメンス Clara Clemens (1874-1962) はアメリカの文豪マーク・トウェイン Mark Twain ことサミュエル・ラングホーン・クレメンス Samuel Langhorne Clemens (1835-1910)の次女。姉妹亡き後はトウェイン唯一の直系の子孫。クララは当初レシェティツキ門下でピアノを学んだが、後に声楽に転向した。
 なおガブリロヴィッチとクララ夫妻には ニーナ Nina (1910-1966) という一人娘がいたそうだけれど、彼女はトウェイン唯一の孫であり、彼女の死によってトウェインの直系は断絶してしまったとのこと。NYTが伝えたニーナの訃報記事がわびしい内容なので驚いてしまった。

つづく