「雲海」(川崎洋)

 

 

 

 

 
 

  雲海(川崎洋)

地上から
見ているのは
じつは
雲の裏側だった
と気付く
精神が
低いところを
徘徊していては
生きることの意義の
輝かしい表は
見えない と
雲海は
告げている

  詩集『ビスケットの空カン』より
  (花神社, 1986)