伊藤恵 ピアノ・リサイタル(神奈川公会堂)

●7/31(日) 神奈川公会堂(マチネ)
NPO法人横浜シュタイナー学園 チャリティーコンサート
「伊藤恵 ピアノリサイタル ~ 家族で楽しむ音楽会 ~」

モーツァルト / ソナタ ハ長調 K.545
シューマン / アベッグ変奏曲 op.1
シューマン / 「子どもの情景」 op.15 ~ 第7曲 「トロイメライ」
シューマン / 「幻想小曲集」 op.12 ~ 第2曲 「飛翔」
ショパン / 幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパン / バラード 第4番 ヘ短調 op.52

(休憩)

[対談]

ベートーヴェン / ソナタ 第14番 嬰ハ短調 op.27-2 「月光」

(アンコール)
モーツァルト / ソナタ イ長調 K.331 「トルコ行進曲付」 ~ 第3楽章

 今年の4月、横浜に開校したNPO法人横浜シュタイナー学園の資金集めのためのチャリティ公演。

 もちろん、ルドルフ・シュタイナーのことは知っているが(※ 1)、シュタイナー学園(シュタイナーシューレ)のことについては世間並みのことしか知らないし、今、自分のホームページで彼のことや、そのほか教育問題のあれこれについて論じようとも思わない。

 ここではホールのことと、子供の入るチャリティ公演の様子の2点についてのみ、ごく簡単に書いておきたい。

 ホールは横浜市神奈川区の公営ホール、神奈川公会堂。やや古いホールのように感じたけれど、実際、創建27年とのこと(1978年落成)。一般的なスタイルの公営の小ホール。客席数562。

 こうした趣旨のチャリティ公演にはやや大きいが、この日は小さい子供が大勢いたので、子供が発散する元気のいいエネルギーに気圧されることなく、のんびり聴くことができた。だからこの大きさは案外とちょうどよかった。小学校のチャリティ公演で、小さい子供に聴かせるということも、この公演の趣旨の1つだったようなので、ラ・フォル・ジュルネ~の時もそうだったけれど、子供がたくさんいるコンサートは落ち着かないという人にはすすめられない。(※ 2)

 けれど、プログラムと演奏は思いっきり本気だったので、割り切って聴ける人には充実した内容だったのではないかと思う。何よりも、未来の聴衆となる小さい子供たちにシューマンを3曲も聴いてもらったのは、言ってみれば、「ちびっこ@シューマンおたく化@大会」みたいなもので、「全世界シューマンおたく化計画(略称「マルシ計画)」の推進本部長の私としては、内心、

( ̄ー ̄)

と、ほくそ笑まずにはいられない公演だった……。
(脳内妄想?)

(※ 1)今、私が座っているところから手の届くところにも、彼の著作『メルヘン論』の日本語版がある。

(※ 2)ラ・フォル・ジュルネ~では本番中にぐずる子供とその親を叱りつけていたお客さんもいて、ところによっては殺気立った雰囲気もなくはなかった。