2014年11月のコンサート (3)

備忘録的インデックス。


●11/24(月・休) トッパンホール (17:00)
歌曲(リート)の森 ~ 詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第14篇
「ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト) 冬の旅」

(コントラルト)ナタリー・シュトゥッツマン
(ピアノ)インゲル・ゼーデルグレン

シューベルト / 歌曲集「冬の旅」 D911

トッパンホール、シュトゥッツマンの冬の旅、終演。もうため息しか出ません。中盤から終曲にかけてがことのほかすばらしく、感動。ピア二ストとの息の合い方も見事でした。シューベルトの余韻に浸りながら帰るのだー

それにしても、なんというすばらしい作品なのだろう!

前回、シュトゥッツマンの冬の旅を聴いたのはいつだったかなあと調べたら、ちょうど10年前の2004年5月の演奏会でした。確か東京では紀尾井(梶本)と王子で冬の旅をやったと思いますが、そのうち王子で聴いたのでした。(ピアノは同じくゼーデルグレン)

そのシーズンは私の中で冬の旅の当たり年で、暮れにゲルネ(初台)、春先にシェーファー(初台)、ボストリッジと内田さん(赤坂。あの時のピアノが凄すぎて私の中では伝説になっている)…という流れの中で「これは外せないなあ」と意気込んで出かけたのが王子のシュトゥッツマンだった(はず)。

10年という歳月を経て、同じ歌手(とピアニスト)による同じシューベルトの曲を聴くことができた、それも前回同様にリートを聴くにはふさわしい小ぶりのホールで…聴衆として幸せなめぐりあわせでした。…などとつらつら思いつつ…

歌い続けてくれる、弾き続けてくれる人たちがいるから、自分も聴き続ける、コンサートに通い続ける。


●11/26(水) トッパンホール
歌曲(リート)の森 ~ 詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第15篇
「ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト) フランス歌曲の夜」

(コントラルト)ナタリー・シュトゥッツマン
(ピアノ)インゲル・ゼーデルグレン

ショーソン
7つの歌 op.2 より ナニー/蝶々
3つの歌 op.27 より 時の女神
愛と海の詩 op.19 より リラの花咲く頃
7つの歌 op.2 より イタリアのセレナード

グノー
愛し合おう
その花をぼくにくれないか
夜明け
谷間

ドビュッシー
麦の花
2つのロマンス より 鐘
3つの歌 より 海はさらに美しく

フォーレ
2つの歌 op.46 より 月の光
5つのヴェネツィアの歌 op.58 より マンドリン
3つの歌 op.5 より 愛の夢
2つの歌 op.1 より 蝶と花
3つの歌 op.18 より ネル
3つの歌 op.7 より 夢のあとに

プーランク
歌曲集「月並み」(全5曲)
歌曲集「村人の歌」より 浮気娘の歌
モンパルナス
アラゴンによる2つの詩

(アンコール)
プーランク / 愛の小径
アーン / クロリスに

トッパンホール、シュトゥッツマンの2日目、フランス歌曲、終演。冬の旅の世界とは打って変わって、甘美でどこかほの暗い、時に官能的、時に洒脱な世界でした。のーみそとろけました(笑) 冷たい夜の雨の中を帰るのだー

シュトゥッツマンのリサイタルの2公演とも聴くことができたのはよかった。シューベルトとフランス歌曲、同じ演奏者で聴くと、そうでない時よりも、それぞれの違いが鮮明に見える(聴こえる)ような気がするから。

冬の旅は緊張感を伴うし(休憩も入らない)、毎回、誰のリサイタルを聴きに行って打ちのめされて帰ってくることになる。今夜のフランス歌曲のリサイタルはくつろいだ気分で聴けた。最後の曲の終わりがさらりと軽妙に終わったところも楽しかった。でも…またすぐに冬の旅を聴きに行く予定なのです(笑)

今年はあんまり冬の旅を聴きに行っていないなあと思ったけど、よく考えたら、プレガルディエンも聴いたし(それも大雪の日の青葉台で!)、ゲルネも聴きに行っていた。あの大雪の日なんて、もうずっと前のことのような気がして今年のこととは思えないほどだ。あれからまだ10か月も経っていないとは…


●11/27(木) 紀尾井ホール
ダン・タイ・ソン ピアノ・リサイタル

プロコフィエフ / 束の間の幻影 op.22 から
 第1, 3, 4, 5, 6, 7, 10, 11, 14, 16, 17, 19番
シューマン / ダヴィッド同盟舞曲集 op.6

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ラヴェル
 高雅で感傷的なワルツ
 ソナチネ
 亡き王女のためのパヴァーヌ
 水の戯れ
 ラ・ヴァルス

(アンコール)
ショパン / ノクターン ト短調 op.37-1

紀尾井ホールのダン・タイ・ソン終演。前半のプロコフィエフ、シューマンもすばらしかったのですが、後半のラヴェルにやられました。音色の美しさと彩りの多彩さ、空気のベールに色がついたかと思うような軽さ…あれを何と形容したらよいのでしょうか、とにかくすばらしかった!^^ 帰るのだー