2009年7月のコンサート

備忘録的インデックス。


●7/8(水) 浜離宮朝日ホール
田部京子 ピアノ・リサイタル
〈シューマン・プラス〉 ~ ロマン派の音物語 ~
「第4章 メンデルスゾーンへの招待状 ~ from シューマン」

シューマン
ミニヨン (ユーゲントアルバム op.68 より)
フモレスケ op.20

(休憩)

メンデルスゾーン
ロンド・カプリチオーソ op.14
幻想曲 「スコットランド・ソナタ」 op.28
無言歌集より
 ~ なぐさめ op.30-3
 ~ ベニスのゴンドラの舟歌 第2番 op.30-6
厳格なる変奏曲 op.54

※出かけるたびに深い感動を覚えるシリーズ。前半の「ミニヨンの後にフモレスケ」という選曲の妙にも大感動。次回は12/3(木)、シューマンとブラームスのプログラムだそうです^^


●7/11(土) 成城ホール (世田谷区砧区民会館) (19:00)
コンサート 「成城 響きあう街」 第1回
鈴木大介 クラシックギターの夕べ

タルレガ /
 アルハンブラ宮殿の想い出
 アラビア風奇想曲
 ラグリマ
 アデリータ
 マリア
 ロジータ
マラッツ=タルレガ / セレナータ・エスパニョーラ
アルベニス /
 カディス
 アストゥリアス
 コルドバ
 朱色の塔

(休憩)

モリコーネ / ニュー・シネマ・パラダイス (映画「ニュー・シネマ・パラダイス」)
マンシーニ / ひまわり~シャレード (映画「ひまわり」「シャレード」)
ドビュッシー / 月の光
バローゾ / ブラジル
ショパン / ノクターン
ガルデル / 想いの届く日
      ボルベール

(アンコール)
バーンスタイン / ウエストサイドストーリー
鈴木大介 / ホースピース
ディアハンター

※演奏順はこの通りではありません(冒頭のタルレガは大幅に変わっていたように思います。よく覚えていないので予告順のまま。終わりの方も変わっていたような…?)。

※小田急の成城学園駅前に新しくできた世田谷区砧総合支所に「成城ホール」(砧区民会館)という小ホールが併設され、今年6月に開館しました。成城に行くたびに(←主に飲み会)、なんかあの辺、工事やっているなとは思っていましたが、ホールも含まれる施設だったのでした^^ このコンサート自体は成城の街を音楽で盛りたてようというような趣旨のもの。第1回とは思えないほど大盛況で楽しいコンサートでした。鈴木さんのお話がまたおもしろい上、選んでくださった曲がまったりと聴ける「大人の雰囲気の音楽」ばかり。これはとてもよいコンサートでした。


●7/12(日) サントリーホール (14:00)
東京交響楽団 第569回 定期演奏会

(指揮)ユベール・スダーン
(ピアノ)ホン・クヮン・チェン

ブラームス / ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.83
(休憩)
シューマン / 交響曲 第3番 変ホ長調 「ライン」 op.97 (マーラー版)

※スダーンさんのマーラー版シューマン・チクルス第2回。このピアニストははじめて聴く人。台湾出身、現在は上海を拠点に活動している人のようです。穏やかで幸福感に満たされた、とてもピュアなブラームスでした。1番だったらどんな演奏になったのかなとちょっと興味があります。シンフォニーは今回も快演。

あと、今月のプログラムの裏表紙がたいへんなことになってました…(クララの映画の全面広告状態…)。


●7/16(木) サントリーホール
新日本フィルハーモニー管弦楽団 第449回定期演奏会

(指揮)クリスティアン・アルミンク
(ピアノ)クレール=マリー・ル・ゲ

マーラー / 花の章
クララ・シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.7

(アンコール)
リスト / 2つの伝説 S.175 より 「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」
(休憩)
ブラームス=シェーンベルク / ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25 (管弦楽版)

※18:45~ アルミンクさんによるプレトーク(岡本和子さんの通訳付)
クララの生涯、ブラームスとの交流などをかいつまんで解説。

※当初は望月京さんの「ニグレド」が1曲目に世界初演される予定で、関連のイヴェントなどもくまれ、プログラムにも関連情報が掲載されていましたが、結局、間に合わなくて初演は先送りになったとのこと。プレトークでもアルミンクさんが「いずれ必ず初演しますから」と明言していました。


●7/17(金) サントリーホール
読売日本交響楽団 第516回名曲シリーズ
「メンデルスゾーン生誕200年記念プログラムII」

(指揮)尾高忠明
(ヴァイオリン)戸田弥生

(オール・メンデルスゾーン)
序曲「ヘブリディーズ諸島」(フィンガルの洞窟) op.26
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
(休憩)
交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」 op.56

※都合により前半のみ。

※今年はフェーリクス・メンデルスゾーン(1809.02.03 - 1847.11.04)の生誕200年ということで記念公演が世界中で行われている。これもその1つ。多くの人に愛されている名曲中の名曲プログラム。東京都内、梅雨明けと同時にたいへんな猛暑が続いているが、序曲「ヘブリディーズ諸島」(いわゆる「フィンガルの洞窟」)は涼やかで聴いているだけで暑さを忘れることのできる作品、やはり夏になると「夏の夜の夢」同様、なんとなく聴きたくなってくる^^

戸田弥生さんの独奏によるコンチェルトがすばらしかった!^^ 孤独で気高く、崇高。メンデルスゾーンのこのコンチェルトの持つ高邁な理想を美しく体現したとてもすぐれた演奏。戸田さんは一番新しい「子供の夢」というCDの中でシューマンの「インテルメッツォ」を演奏されている。もちろんヴァイオリン・ソナタ第3番の第3楽章(もしくはFAEソナタの第2楽章)の「インテルメッツォ」。 (→ このソナタの楽章構成ほかはここ) まったりとした美しい小品を集めた宝石箱のようなアルバム。

「子供の夢」 (EXTON/OVCL-00254)


●7/28(火) 東京芸術劇場
洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団 第2回演奏会
サマーコンサート 2009

(指揮)秋山和慶
(ピアノ)伊藤恵

※(コンサートミストレス)根来由実

メンデルスゾーン / 劇付随音楽「夏の夜の夢」(真夏の夜の夢) op.61 より
 序曲 op.21
 スケルツォ
 ノクターン
 結婚行進曲
モーツァルト / ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491

(休憩)

ドビュッシー / 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル / 「ダフニスとクロエ」 第2組曲

※2008年9月に結成されたばかりの新しい団体。団員は学内・学外から公募してオーディションを行って選抜しているとのこと。メンバー表によれば、洗足学園だけでなく、東京藝大、桐朋、東京音大、国立、武蔵野ほか、各大学・大学院などに在籍している学生や出身者も多数参加しているようで、そこがユニーク。1つの学校の中でということではなく、垣根を越えた大きな規模の中で、大勢の才能ある若い人たちが切磋琢磨する場を立ち上げた、その理念の高さはすばらしい。ユースや学生オケを聴くと、いつもその若々しいエネルギーのほとばしりには感動させられるけれど、このオーケストラの公演でも冒頭のメンデルスゾーンからは「音楽の歓びは生きる歓びだ」的な歓びの賛歌のようなものが聴こえた。同行の知人もほめていたし、演奏は上記の通りすばらしかったのだけれど、コンサートの運営の部分、たとえば開演前の場外・受付部分での「預かり券」の引き取り場所の混乱などは今後、意識的に効率よくシステムを改善した方がよい点ではないかと思った。ユースオケや学生オケが好きな方におすすめ^^