オランダのピアニスト、ロナルド・ブラウティガム Ronald Brautigam が若い頃に収録したシューマンのソナタ1番のCDを長らく愛聴してきたが、最近になって、ようやくソナタ2番と3番が収録されたものを入手することができた。1番のCDも、2番3番のCDも、共に廃盤になって久しいと思うが、なぜか1番だけは今でもたまに都内の店頭で見かける。2番3番はあちこちを探して探して、結果的には Amazon.co.uk 経由でアメリカから購入することができた。(Amazon.com でも探したけれど、その時は取り扱いがなかった。)
少し前にアブデル・ラーマン・エル=バシャ Abdel Rahman El Bacha のCDを聴いて、いたく感動したことから、しばらく、ソナタ2番3番をあれこれ聴き比べていた。エル=バシャの3番は1853年の改訂版で4楽章なのだけれど、スケルツォは改訂版にも収録されなかった "Vivacissimo" で、これが実によい演奏。なかなか、このスケルツォを聴く機会がないので、ほかに誰が収録していたかと調べたら、これまでどうしても手に入れることができなかったブラウティガムのCDに収録されているらしいことがわかり、そこから探索の旅がはじまった、という次第。
注文可能なCDが見つかったのは良かったのだけれど、待てど暮らせどCDは届かないし、それどころか、発注先のショップからは受注した旨の最初のメールさえ届かなかったのでいささか不安になった。アマゾンのマーケットプレイスでの評価は悪くはなかったのだけれど、ネット上であれこれ調べてみたら、長期間にわたる遅配や「在庫切れのための一方的なキャンセル」も多く、日本のユーザーの間では評判の芳しくない通販ショップの1つだということがわかって、さらに不安になった。郵便事故で(恐らくはアメリカ国内で)行方不明になってしまった書籍同様、これもまた届かないのかも…と心配をはじめた頃になって、ようやく、「たった今、発送作業を完了した」というメールがショップから送られてきた。1週間後、無事に現物を手にすることができた。発注からおよそ2か月。まあ、2か月で届いたのはまだ良い方だと思うし(※)、CDは未開封の新品だったし、聴いてみたら期待以上のすばらしい演奏だったし…要するに待っただけの甲斐は十分にあった。待てば甘露(海路)の日和ありとはまさにこのこと。
(※)以前、国内の新譜専門店にアーベントロートのCDを発注した時には、発注から1年以上経ってから唐突に配達されてきた。 → 事の顛末
[ブラウティハム]