前橋、朔太郎 (2)

(つづき)

朔太郎の「広瀬川」の詩碑

 前橋市内を流れる広瀬川に沿って様々な詩碑が設置されていると聞いたので、まずはこれを見ておこうと思い立ち、広瀬川散策に出かける。広瀬川は街中を流れる穏やかな表情の川。岸が整備され遊歩道となっている。この遊歩道に沿って朔太郎をはじめとする詩人たちの詩碑や芸術的な像などが設置されている。とりあえず行けるところまで行ってみようと延々と歩いてみた。川のせせらぎも耳に心地よく、のんびりと散歩できる。静かだから、天気の良い日に散歩がてら、この辺りで読書をして過ごすのもよいなと思った。ここでは詩碑のほか、水車、子供(妖精?)の像、馬の埴輪(それも巨大)などを目にした。この時、見に行ったのは詩碑だったのだが、私は突然の巨大埴輪の出現に狂喜乱舞。さすがは毛野国。あまりにも見事な馬型埴輪だったので、前橋から移動する直前、土産物店で小型のレプリカを買い求めた。

 一時間ほど、その辺りでうろうろした後、前橋文学館に行く。この時は企画展として前橋出身の現代の作家の展示が行われていた。そちらをざっと見た後、2階の朔太郎の部屋に行く。ここでボランティアの解説員の方に案内していただき、展示物や朔太郎に関しての詳しいお話をうかがう。朔太郎が群馬では音楽家としても仕事をしていたこと、彼の創設した団体がやがては群響に発展したのだということを教えていただく。彼が前橋ではどのように鬱屈した思いを抱いていたか、前橋の外の世界に出たいと望んでいたというような話をうかがう。心に残るお話だった。とても親切な方でありがたかった。朔太郎の記念館に出かけるため、名残惜しいが文学館を後にする。

前橋文学館

(つづく)